日本の調味料「醤油」はもっと注目されてよいのではないか
日本人にとってなじみの近い調味料の一つである「醤油」
しょうゆ情報センターの統計資料によると、2021年の一人当たり消費量は5.6リットル。
10年前は6.5リットル、20年前は8.1リットルなので、この20年くらいで3割くらい減っています。
醤油を作る工場も20年前は1,600くらいあったものが、2021年には1,066。実に2/3です。
ライフスタイルが変化して家庭での料理が減ったり、減塩ブームもあって醤油の消費が抑えられてきたというのもあるでしょう。
そんななか、いま特徴を持った醤油を作り続けている蔵が再注目されつつあるような気がします。
そのきっかけになっているのは間違いなく職人醤油さんだと思うのですが、とにかくこの日本の伝統文化がフォーカスされるというのはなぜかうれしい気持ちになるものです。
地域によって好みとされる醤油の傾向があり、それぞれの蔵が独自の伝統をもって育ててきた醤油は、似ているような違うようなが楽しめるものです。
塩にこだわる人は結構いるようですが、それと同じくらい醤油の世界も熱く、深いものだと思えてなりません。
同じ赤ワインでもそれこそ値段も含めた無限の広がりがあるように、醤油の世界もまた無限の広がりがあります。
ワインと違うところは変にビンテージ化したりしないので、高いものでも十分手の届く価格であることがほとんどです。これはひとえに生産者である醤油蔵のみなさんの意思と努力の賜物です。
ひとくちに「さしみに合う醤油」というのではなくて、白身魚に合う、青魚に合うなんてものもあったりします。
調味料なので嗜好もありますから、誰かのいちばんがその人のいちばんとは限らないのも面白いところ。単純に優劣つけられない世界だからこそ、たくさんの蔵が残って、それぞれの持ち味を生かした醤油が残ってほしいと思うわけです。